ぽっこりお腹の原因にも!? 「腹直筋離開」


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お腹の前面、表層に位置する腹直筋。
妊娠中、お腹が大きくなり、筋肉が伸びることで、左右に開いてしまうことがあります。
産後、多くの女性にみられる腹直筋離開。
腰痛やぽっこりお腹の原因かもしれません。

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妊娠し、胎児の成長につれ、腹部は大きくなっていきます。
妊娠後期になると、子宮の長さや幅は5~6倍、重さは約20倍にもなります。
腹部の前面の表層に位置する腹直筋は約15cm程長くなるとされ、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋などの側腹筋群などとともに引き延ばされ、筋厚は薄くなります。

腹直筋離開とは、この大きく引き伸ばされた腹直筋が、白線上で左右に離開した状態をいいます。
臨床上、2横指以上の離開がある場合を腹直筋離開がある、と判断します。

<評価>
1 仰向けに寝て両膝を立てる
2 あごを引いたまま、ゆっくりと頭と肩を持ち上げる(カールアップ)
3 おへその位置やその上下に3ヶ所を触る
4 離開していれば、割れ目に2横指以上指が入る

離開すること自体が問題となるのではありません。
離開が発生することによって、腹筋群の筋出力が低下し、インナーユニットの働きが悪くなることで、腹圧のコントロールが出来なくなります。そうすると、体幹の安定性が低下するため、腰痛や肩こりなどの機能障害を引き起こしてしまいます。長時間の抱っこや繰り返しの授乳などがある産後の女性にとって、インナーユニットの機能低下は、生活の質の低下につながってしまいます。
症状としては、お腹に力が入らない、肩こりや腰痛など痛みがある、お腹のしわやたるみが治らない、産後しばらくたつのにお腹がぽっこりしている・・・などがあります。
見た目上の問題もあるので、機能面だけではなく、美容面でも重要となります。

原因は様々あると言われていますが、まずは予防が重要です。
リスクファクターとしては、
体重増加、経産婦、多胎、肥満、帝王切開、高齢出産、巨大児などが挙げられています。
予防のために、腹部を安定させる腹横筋の機能低下を防ぐことはとても重要です。
また、不良姿勢を防ぐこと、腹直筋の伸張性を保つこと、内・外腹斜筋との癒着を予防・改善することで、インナーユニットのは働きを高めることができ、予防・改善へつながります。
アメリカでは、妊娠中に腹部の筋肉の可動域を意識した運動は、優位に腹直筋離開の予防ができるという報告もされています。

しかし、運動も方法によっては離開を悪化させてしまうことがあります。
一般的に腹筋運動として行われている仰向けで頭や上半身を持ち上げる「クランチ」と呼ばれる運動は、逆に、腹直筋離開を増悪させてしまう可能性が高いので注意が必要です。
また、ソファーや椅子にもたれかかった仙骨座りを長時間する、股関節を曲げずに背中が丸くなった状態で赤ちゃんの抱っこやお世話をすることも、腹部の前面に過度な負荷がかかり、離開を増悪させる可能性があります。
日常生活での姿勢や動作の影響は多大です。
普段の姿勢や動作に気を付け、繰り返し、過度な腹圧がかからないようにすること、そして、インナーユニットの働きを良くしていくことが重要です。

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

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