ビタミンB群は生きていくためのエネルギーをつくるのに欠かせない栄養素です。
どれか1つでは効果を発揮しにくく、お互い助け合いながら働くため、
複数のビタミンを合わせて取る事が望ましいとされています。
ビタミンB群は、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、
ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチンなどがあります。
全て水に溶けやすい水溶性のビタミンで、熱に弱い性質をもっています。
ビタミンB群の重要な働きはあらゆる酵素の補酵素となることです。
代謝ビタミンとも言われ、エネルギーを作る為に必須です。
食品から摂取したビタミンB群は、そのままではなく、体の中で形を変え(活性型)、働くようになります。
この時に、複数のビタミンB群が相互に関与します。
そのため、ビタミンB群が効率的に働くために、1つではなく、複数のビタミンを摂取することが重要となります。
ビタミンB群は普通の日本人の食生活では不足する事はないと言われていましたが、
実際は現代では多くの潜在性欠乏者がいるようです。
その理由としては
1 食品の変化:加工などによる、ビタミンB群の減少
2 ビタミンB群の消費量の増加:加工食品の増加、ストレス、過度のアルコール摂取、妊娠、授乳、過食などで
ビタミンB群の消費量が増加
3 抗生物質の長期服用:ビタミンB群は腸内でも合成されるが、
抗生物質の長期服用により腸内の最近バランスが乱れることにより、ビタミンB6などの合成が少なくなる
等が挙げられます。
<ビタミンB1>
働き:
糖質をエネルギーに変える
アルコールの代謝に関与する
脳の働きを正常に保つ
神経の働きを正常に保つ
糖質から活動に必要なエネルギーを生み出すのに欠かせない物質です。
また、中枢神経や末梢神経の機能、心機能の正常化にも関わります。
不足すると、摂取した糖質がエネルギーに変換できず、疲れやすい、体がだるい、
代謝が低下し太りやすくなる、イライラする、集中力が低下する、などの症状があらわれます。
炭水化物の摂取量が多い人、飲酒量が多い人、運動によるエネルギー消費が多い人は
ビタミンB1の消費が多いため積極的に補う必要があります。
豚ヒレ肉など、豚肉の赤身に多く含まれます。他には、うなぎ、玄米、豆類、ナッツ類などにも含まれます。
ニンニクやにら、玉ねぎに含まれるアリシンと結合したビタミンB1は熱に強く吸収率もあがります。
<ビタミンB2>
働き:
脂質をエネルギーに変える
過酸化脂質の分解に関与する
脳と肝臓の働きに関与する
皮膚や粘膜の代謝に関与する
脂質の代謝に必要なビタミンです。
発育のビタミンと言われ、脂質の代謝の他、皮膚や髪、爪などの細胞の再生に働き成長を促します。
粘膜を保護する働きがあり、口内炎の予防にも効果的です。
不足すると皮膚や粘膜の炎症の原因になったり、肌荒れや口内炎、目の充血、枝毛や切れ毛の原因となります。
豚レバーに置く含まれます。
他にうなぎ、納豆、卵、乳製品、葉物野菜、魚などに含まれます。
ビタミンB2は熱に弱いため加熱せずに食べられるものが良いです。
<ビタミンB6>
働き:
タンパク質の合成や造血に関与する
脳の働きに関与する
神経伝達物質の生成や抗アレルギー作用に関与する
脂質の抗酸化に働く
タンパク質、脂質の代謝を行う重要な栄養素です。
タンパク質からエネルギーを作る過程で、酵素を補助する役割もあり、皮膚や粘膜の健康にも関わります。
また、ドーパミン、アドレナリン、セロトニンなどの神経伝達物質の合成にも関与し、神経機能を正常に保つ働きを持ちます。
アレルギー症状、月経前症候群、つわりの緩和にも効果があると言われています。
妊娠初期に良くみられるつわりの症状には、ビタミンB6を摂取することで吐き気が和らぐとの研究報告があります。
妊娠中には何らかの原因で、アミノ酸の一種であるトリプトファンの代謝不良が起きることで、吐き気をもよおす事があります。
そのためタンパク質やアミノ酸を分解合成するビタミンB6により、
トリプトファンの代謝が改善され、つわりの症状を緩和すると考えられています。
日本産婦人科学会によると、ビタミンB6を1日あたり5~60mg摂取する事が嘔吐の軽減に効果的とされています。
ビタミンB6は、マグロ、カツオなど赤身の魚に多く含まれます。
その他、牛や鶏のレバー、ナッツ類、バナナ、にんにくにも含まれます。
バナナ1本で必要量の約30%が摂取可能とされています。食事以外のデザートでバナナやナッツを摂る事もお勧めです。
ビタミンB6は腸内細菌からわずかに合成されるため欠乏することも少ない、
水溶性のため過剰に摂取しても尿中に排泄されます。
しかし、妊娠中には、レバーやまぐろの刺身などの食べ過ぎは良くありません。
妊娠中に食べられるもので、ビタミンB6を多く含むものとしては、
鶏肉、焼き芋、バナナ、パプリカ、モロヘイヤ、プルーン、玄米、アボガド、ピスタチオ、ピーナッツなどがあります。
また、ビタミンB6の働きを良くするためには、ビタミンB2が必要とされています。
モロヘイヤ、アボガド、焼き海苔、きな粉などはビタミンB6、B2両方多くふくみます。
これらを組み合わせて、上手に補う事で、つわりの症状の緩和も期待できます。
<ビタミンB12>
働き:
ヘモグロビン・赤血球の合成造血作用に関与
神経の正常な働きを維持する
タンパク質の代謝・核酸の合成に関与
脳の発育を助ける
タンパク質のもととなるアミノ酸の代謝やタンパク質の合成に関わるビタミンです。
DNA合成の調整や赤血球を作り、葉酸とともに悪性貧血を予防します。
(悪性貧血とは鉄分不足で起こるものとは異なり、赤血球の形成や再生が行われないことによる貧血で、
全身のだるさ、動悸、息切れ、食欲不振などの症状)
植物性食品にはほとんど含まれず、ベジタリアンや極端な偏食がある場合には不足しやすいビタミンです。
牛、豚、鶏などのレバーや貝類に多く含まれます。
しじみやあさりは汁物一杯で必要量が取れるとされ、他にもチーズなどの乳製品、納豆や味噌などの発酵食品に含まれます。
殆どのビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝に働くため、
どれが欠けても疲れやすくなったりなどの症状がみられます。
妊娠や授乳中にも重要なビタミンB群ですが、中には刺身やレバーなど妊娠中には避けたい食品もありますが、
複数のビタミンB群を上手に食事の中に取り入れることができるよう、無理なく、工夫できることが望ましいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました✨
ウーマンズヘルスケア研究会
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