ミネラル(鉱物)は金属と非金属に分けらけます。
その金属の中でも比重が4以上のものを重金属といいます。
有害金属ともいわれる毒素で、程度の差はありますが摂取することで健康を害する恐れが多く、様々な規制がかけられています。
重金属は元々地球の地殻中に存在するもので、通常の環境下ですべての動植物に微量に存在します。
問題となるものは、人為的な高濃度汚染により人体へ影響が発生する場合です。
重金属の特徴としては、体に溜まりやすく、一度溜まると排出されにくい、
脳神経への毒性が高い、肝臓や腎臓への負担がある、代謝・血行不良を引き起こす、などがあります。
健康維持に必要な必須ミネラルの働きを阻害するため、体にストレスを与えます。
この状態が長く続くとホルモンを分泌する臓器、副腎を疲労させてしまいます。
そうすると体がストレスへ対処できず、様々な体調不良を招いてしまいます。
重金属は現代の便利になった生活では、普段から気を使っていても中々避けきれないのが現状です。
食事や飲料水の他、肌からの経皮吸収、大気汚染、銀歯、農薬、ワクチンなど、様々な経路で体内に入ってきます。
また、母親の体内に蓄積された場合には胎盤やへその緒を通して胎児の脳や血液にも送られると言われています。
胎児の心身の発育に影響を及ぼすとされているため、特に女性は気を付けるべきところです。
では実際に身の回りに潜む重金属にはどのような物があるのでしょうか。
○水銀
特徴:銀色をした、常温では液体の重金属。25度以上になると簡単に気化しガスとなって拡散します。
無臭で呼吸からだけでなく、経皮吸収もされます。
汚染源:大型の魚介類(マグロ、カジキ、ブリ)、歯の詰め物(アマルガム)、破損蛍光灯、電池、など
○カドミウム
特徴:4大公害病の1つである「イタイイタイ病」の原因物質。
カドミウムが体内に入ると腎臓に影響を及ぼし腎機能障害を起こします.
さらに甲状腺にも影響し、骨からカルシウムを放出するため、骨粗しょう症などを引き起こします。
カドミウムは環境ホルモン指定されており、蓄積すると不妊や流産に影響するとされています。
汚染源:カドミウムの多い土壌の米・作物、石炭や石油の燃焼、排気ガス、たばこ、化粧品など
○鉛
特徴:鉛が柔らかく収縮しやすい特徴をもっており扱いやすいため、毒性があるにも関わらず、
身近なものに沢山使用されています。
廃棄ガスなや土壌汚染の問題もありますが、深刻なのは水道管の問題です。
鉛管からは常に微量の鉛が溶け出していますが、
劣化した水道管からはさらに多くの鉛が水道水の中に溶け出していきます。
鉛も環境ホルモンに指定されており、特に蓄積により男性不妊に影響するとされています。
汚染源:排気ガス、大気汚染、たばこ、劣化した水道管など
○ヒ素
特徴:カドミウムと同様自然界に存在し、鉱物や化石燃料の中に含まれます。
地底のマグマにも含まれるため、海水にもヒ素は溶け込んでいます。
汚染源:魚介海藻類、ヘナ、殺虫剤、残留農薬、井戸水、排気ガスなど。
○アルミニウム
特徴:神経系統への影響があり、最近ではアルツハイマーの原因とも言われています。
アルミニウムが脳内に入ると凝集作用により脳の委縮を引き起こすともいわれています。
また、必須ミネラルの吸収力を大幅に低下させます。
汚染源:調理器具、食器、アルミ缶、膨らし粉、制汗剤、歯磨き粉、など
○ベリリウム
特徴:化石燃料、特に石炭に含まれており、火力発電所などの石炭の燃焼により、大気中に排出されると言われています。
大気汚染防止法で有害大気汚染物質として規制されています。
汚染源:大気汚染、電子機器、レントゲン、土壌
環境ホルモンとは、生物の体内に入るとホルモンと同様にふるまうことで、
本来のホルモンの働きをかく乱して影響を及ぼす化学物質の総称であり、正式名称は「外因性内分泌攪乱物質」といいます。
上記、鉛、水銀、カドミウムは環境ホルモンに指定されています。
鉛と水銀は抗エストロゲン作用、カドミウムはエストロゲン様作用を持ち、体内環境を錯乱させ、不妊の原因となります。
有害金属は、体内に容易に蓄積します。
まずは出来ることから、有害金属を避け、可能な限り体内への侵入を防ぎます。
それは生活習慣の見直しや、使用する物などで防ぐことも可能です。
それと同時に、有害金属を体内から排出させる必要があり、排出には必須ミネラルの摂取が必要となります。
体内のミネラルバランスを整え、有害金属の害を防ぎ、体外へ排出を促す事ができるようにすることが重要となりますね。