妊娠に伴う姿勢の変化と腰痛

妊娠が成立し、出産に至るまでの期間は約280日といわれています。

 

胎児の成長に伴い、日々大きさを増していくおなかのなかで、

妊娠後の子宮はどのように変化していくのでしょうか。

 

妊娠前の子宮の重さは40gですが、妊娠後期には20倍以上の1000gまで大きくなります。

 

容積は2mlだった妊娠前に比べて4000〜5000mlに変わっていきます。

恥骨から子宮の1番上までの長さである「子宮底長」は、妊娠5ヶ月で約15㎝。

臨月では33cmにまで成長します。

 

個人差はありますが、子宮全体の大きさは妊娠初期のぶどう一粒大。

そんな妊娠4ヶ月頃まで目立たないおなかが、妊娠後期では

重さが約8〜10kg増えていき、スイカの大きさにまで成長していきます。

 

そして、出産が近づくにつれて胎児も下へ降りてくるため、子宮底長が長くなります。

 

妊娠期の子宮の容量が増加していくにしたがって、トラブルとして多く耳にするのが「腰痛」。

 

これは、姿勢の変化が影響してきます。

 

重量が増して大きくなった腹部により、重心が前のほうへ変わっていきます。

 

妊娠中期から後期の立位姿勢は、大きくなったお腹を身体の前方で支えて姿勢を保つため、

体幹の重心を後方へ移させなければならなくなります。

 

すると骨盤帯に対して、上部体幹を後方に移したsway back姿勢となります。

この姿勢は妊婦さん、特にお腹が目立つようになった方にはよくみられる姿勢でしょう。

 

この姿勢により、腰背部筋は常に緊張の高い状態が続きます。

 

さらに重量物を身体の前で持つ場合、妊娠前と比べて2.3倍の負荷が腰椎にはかかると言われています。

 

今までは簡単に抱えていたものでも腰部への大きな負担や腰背部へのストレスとなり、腰痛を引き起こす原因となります。

 

腰痛の原因となる姿勢の変化ですが、これらの変化を止めることはできません。

しかし、その変化を放っておくとやがて慢性的な腰痛となり、この痛みが産後まで続く方もいらっしゃいます。

 

そんな痛みに悩む生活を断ち切るためにも、大切なのは日頃から身体を休めることですが、

なかなか生活を送るうえで常に休んでいるわけにはいかないという方に、

普段の生活の中でもできる腰痛緩和の方法をお知らせします。

 

1、腰背部の筋をストレッチ

ストレッチをすることで、常に緊張状態の筋もリラックスすることができます。

血液循環の改善にも繋がりますので痛みを和らげてくれます。

 

2、痛みのある部位を温める

滞った血流を改善して循環を促進することで、痛みを緩和してくれる効果があります。

 

3、座位姿勢

椅子に座るときには深く腰をかけ、背もたれにしっかり背中をつけることがポイントです。

クッションを使用し、ポジショニングすることで楽に休むことができます。

 

4、横になって休む

休む際は仰向けより横向きの方が腰部へ負担が軽減します。

抱き枕などを使用すると、より楽な姿勢が保たれるでしょう。

 

5、車の運転

長時間の車の運転は避けて、背もたれは垂直過ぎず、倒し過ぎない

ハンドルとの距離は肘が軽く曲がる程度が腰部への負担も軽減されます。

 

以上のように、生活習慣の中でもツラい腰痛を軽くするポイントがたくさんあります。

妊娠によって起こる身体の変化に少しでも対応できるよう、日頃の習慣の改善で

すこしでも快適なマタニティライフを過ごしていただきたいと思います。

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました

 

 

 

  

ウーマンズヘルスケア研究会

 

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