外反母趾

女性に多いといわれている外反母趾。

患者さんや家族、自分自身でも外反母趾またはその傾向がある方をみることは多いのではないでしょうか。

今回は外反母趾とはどのような状態で原因は何か、どんな治療法があるのか簡単に説明したいと思います。

 

外反母趾とは、足の内側にある第一中足骨が内転、母趾が外転し第1MTP関節が突出することです。

角度は15〜20度以上曲がると外反母趾といわれています。

 

外反母趾は女性に多いですが、その割合は女性が90%以上ともいわれています。しかし、男性や子どもにも発症します。

 

根本的な改善が難しいといわれており、骨が変形すると突出部がこすれて疼痛や炎症が生じます。

症状が進行すると痛みのために歩行や起立に影響を及ぼしてきます。

 

原因としては、女性、遺伝、ハイヒールが三大原因といわれています。

 

・裸足生活の民族における調査では、女性は第1中足骨が内転、母趾が外転しやすい傾向にあるため

    男性よりも外反母趾が多く見られるとの結果が出ています。

 

・遺伝としては、足先の形は大きく分けて3種類ありますが、

    母趾が一番長いタイプの人は外反母趾になりやすいといわれています。

 

   これは若い世代におこる外反母趾で多いとされています。

  また、一般的にハイヒールが原因と言われますが、ある調査ではハイヒールより遺伝の方が

   外反母趾の原因の多くであるとの結果が出ています。

 

・ハイヒールのような踵が高く、先が細くなった靴を長時間履いている場合になりやすいと言われています。

    裸足生活者には外反母趾は少ないことや江戸時代以前で下駄を履いていた時代の書物には

    外反母趾の記載は見られないことから靴に原因があるのではないかとの見解があります。

    外反母趾の発症に影響する生活習慣は靴以外は報告されていないようです。

 

ハイヒールは、高いヒールにより前滑りをしてしまい

足先が細い靴先に押し込まれることや足先にかかる体重の割合が増えること、

第1趾のMTP関節の背屈の角度と足関節の底屈の角度が大きくなるため両側の靭帯が弛んでむことや

横アーチに関与する筋肉が緩み扁平足になることなどが理由としてあげられます。

 

その他の原因としては、距骨下関節の過剰な回外が、外反母趾の原因であるとされています。

中年期の外反母趾では肥満や筋力低下も影響していると言われています。

 

外反母趾になると歩行時に母趾にうまく荷重できないため2.3趾の付け根部分に荷重が集中し、有痛性の胼胝ができます。

 

治療は、保存療法、手術療法があります。

保存療法は、靴の指導や足の運動、装具療法があります。

 

靴の指導としては、

・ヒールが高くなくつま先が細くない靴を選ぶこと

・つま先を動かすことが出来る程度ゆとりがあるもの、前に滑らないように足の甲や踵が固定されるものを選ぶこと

・ヒールを履く際でも長時間の使用を控えること

・ストラップや滑り止めのついたインソールを使用すること

などがあげられます。

 

幅の広すぎる靴を履くことにより足が前に滑り、つま先が圧迫されて発症するというケースもあるため

自分の足に合った靴を選ぶことが大事ですね。

 

足の運動は足指を内外に動かす運動です。

 

装具療法は母趾と第2趾の間に挟むトースプレッダーや母趾が開くようにするサポーターなどがあります。

 

痛みが強い場合や変形が強い場合は手術療法を選択します。手術療法は、程度や症例に応じて選択します。

遠位骨切り術、近位骨切り術、水平骨切り術などがあります。

 

原因を評価し、手術が必要になる前に対応できたらいいですね。

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました

 

 

 

  

ウーマンズヘルスケア研究会

 

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