妊娠している状態の運転と妊娠する前の運転では妊娠中の方が車の事故は多いとの結果が出ています。
妊娠すると運転を控えた方がいいといいますが、
実際には妊娠中でも仕事や健診、買い物など今まで当たり前に行っていたことをしなくてよくなるわけではありません。
小さなお子さんがいたり、自宅から駅やバス停が遠いなどさまざまな環境や事情で公共交通機関の利用も難しい場合もあります。
このように車の運転が出来ないと生活が不便になり支障が出てくることも多いと思います。
しかし、妊娠中の運転は危険を伴うのは事実です。
妊娠による変化は外観だけではなく、ホルモンの変化によりさまざまな影響が出てきます。
運転をすることで緊張状態となることや渋滞などで知らぬ間にストレスを感じています。
また長時間同じ姿勢をとることで腰痛を引き起こしてしまいます。
運転で血圧が上昇したり子宮の収縮が増すとの報告もされています。
妊娠初期は、お腹の膨らみによる影響は少ないかもしれませんがホルモンの影響で日中に眠気がしたり、
つわりなどの症状で気分不良を認め、判断力の低下や集中力の低下を認める可能性があります。
また、運転前は気分不良がなくても、振動により気分不良を引き起こしてしまうことや流産のリスクもあります。
妊娠後期においては、
さらにお腹が大きくなるため身動きもとりにくく周囲の安全確認が行いにくくなることや
何かあった際にブレーキを踏むなどの対応が遅れてしまい事故をまねいてしまうおそれがあります。
さらに、妊娠後期はエストロゲンの分泌が増加しますので、
その影響で胎動が増えたり夜間のトイレの回数が増え眠りが浅くなることがあります。
夜間十分な睡眠を取れていないことで日中急な眠気におそわれるなどリスクも高くなります。
日常生活でもお腹の重さや胎動により疲労感を認めやすくなり、より眠気を助長してしまいます。
臨月においては破水や陣痛がいつ起きるか分からないため、
対応が遅れてしまったりパニックで事故を起こしてしまう可能性もあります。
では、リスクを分かったうえで何をどう気をつければいいのでしょうか?
◾️運転するうえで気をつけること
・長時間の運転を避けること
・気分が悪いときや眠気があるときは運転はしないこと
・座席の位置を調整する
・正しくシートベルトを着用すること
他にも時間に余裕を持って行動することも大切ですね。
シートベルト着用に関しては、
昔は2点固定であったため妊娠中のシートベルト着用がかえって良くないとの意見もあったようです。
現在では3点固定となっており、高さの調節も可能です。
致死率もシートベルトの有無だけでも30倍程度と著明にリスクが高まるだけでなく、
妊婦における死亡率もシートベルト非着用者において母体だけでなく胎児ともにリスクが高まるとの報告も出ています。
妊婦中のシートベルトの着用は、お腹を圧迫しないよう骨盤の下側の恥骨付近を通し、
斜めに通すベルトも両胸の間からお腹を避けて着用するようにします。
今はマタニティシートベルト補助具もあるようです。
法律上では、シートベルトの着用も妊婦における運転の決まりはありませんが、
時期に応じてリスクも増えるため、母子ともに守るためには妊娠後期には運転は控え、
妊娠初期においても大丈夫と思わずその日の体調に応じて検討した方が良いです。
これらの事を踏まえてアドバイスができ、安心マタニティライフを提案できるようにしておきましょう。