妊婦さんの多くが経験すると言われている「便秘」。
便秘とは「三日以上排便がない状態」や「残便感がある状態」のことを指します。
男性よりも女性に多く、妊娠中はさらにリスクが高まります。
さっそく原因や対策を探っていきましょう。
まず、妊娠を継続させるために働くホルモンが「プロゲステロン」です。
子宮内膜の厚みの維持や基礎体温を上昇させる、妊娠期における非常に重要なホルモンです。
ところが、プロゲステロンには腸の活動を低下させる作用があり、蠕動運動が活発に起こらず便の通過に時間がかかってしまいます。
食物が腸内に長時間停滞することで水分やナトリウムが吸収されます。
ただでさえ水分不足の状態で腸内から羊水へ水分が吸収されるので、さらに便が硬くなります。
また、胎児が成長するにともなって子宮が大きくなり腸を圧迫します。
その圧迫も、便が腸内に長く停滞する原因となります。
妊娠中は胎児の成長により身体が重たくなって動きを制限されます。
つわりなどにより体調が優れないことから活動量も下がり、腸の活動はさらに減っていきます。
その結果、腹部の膨満感や硬便などの症状としてあらわれます。
妊娠期には上記の要因が重なって起きてしまうことが、便秘で悩む妊婦さんが多い理由です。
さらに注意が必要なのは、便秘により引き起こされる「痔」です。
便秘により排便時に息むことが多くなると、直腸壁にある静脈がうっ血・増大して痔を形成します。
また、妊娠中の体重増加により長時間座り続けることも痔の原因のひとつとなります。
痔を防ぐには、まず便秘に対する対策が必要となってきます。
以下に、便秘に対する予防・改善策を挙げていきます。
①水分補給を十分に行う
前述したように、腸内は水分不足の状態になります。
まずはこまめな水分補給を行うことが大切です。
②食物繊維を摂取する
食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があります。
2:1の割合での摂取が理想とされています。
不溶性食物繊維は水分を吸収して膨らみ、腸の蠕動運動を高めます。
そのため、便の排泄を促進してくれます。
豆類やキノコ類などに含まれます。
水溶性食物繊維は水分を含むことでゲル状になり、
腸内の有害成分を吸着し、体外へと排泄する働きを持ちます。
海藻類やりんご、アボカドなどに多く含まれます。
③適度な運動
ウォーキングやストレッチなどの軽い運動を行うことで血行を促進し、腸活動の活性化を図ります。
しかし、あまり激しい運動は身体に負担となりますので、体調に合わせた休息を心掛けてください。
このような対策から便秘の予防や改善を行うことが可能です。
何かとトラブルが多い妊娠期間。
快適なマタニティライフを送るために、
ひとつでも多くの予防・対策を知っておきたいものですね。
最後までお読みいただきありがとうございました✨
ウーマンズヘルスケア研究会
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