妊娠が成立して、日々成長していく胎児。
実は、その成長は各時期によって異なります。
それでは、どの時期にどのような発育を辿るのでしょうか。
卵管膨大部で受精が起こった場合、数日かけて卵管内で発育しながらゆっくりと子宮内膜へ向かっていきます。
その後、着床する直前に透明帯が破れて孵化が起こり、着床します。
次に胎芽期(妊娠10週未満)の発育です。
この時期は羊膜や絨毛膜、胎盤などの胎児付属物など、胎児の形態形成に特に重要な期間です。
胎芽期の胚は遺伝的にプログラムされた設計に従って発育し、胎児の形態形成がされています。
次は妊娠初期の発育です。
胚は妊娠5〜6週頃までに胎嚢として超音波断層法で確認されるようになります。
このときには胎芽よりも、それに連続する卵黄嚢が鮮明に描出されています。
妊娠6週目以降は超音波断層法でも胎児の形態が確認できるようになり、遅くとも妊娠8週までには心拍が認められるようになります。
一度みられた心拍は一生拍動し続けることになり、正常の場合は消失することはありません。
この妊娠5週目から12週目頃までに胎児の形態形成が急速に進行します。
この時期を器官形成期と呼び、心血管系や呼吸器官、消化器官や神経系、泌尿生殖器官などの発育が同時に進行します。
また頭部の発育が優位で、妊娠9週頃には二頭身を呈しています。
この時期は薬剤や放射線などの催奇形因子が作用したり、糖尿病などの母体合併疾患があると胎児が死亡したりと、形態形成に重大な影響を及ぼすことになります。
妊娠14週から28週頃までの期間には、形態の形成された胎児の体の中で細胞分裂が起こり、細胞数が急速に増加します。
妊娠中期には、頭部よりも他の部分の発育が急速となるため、
胎児の体は妊娠中期から後期にかけて、三頭身から四頭身へと変わっていきます。
この時期に胎児の発育が障害されるようなことがあれば、発育が遅れるため、頭部と体がともに小さくなります。
最後に、妊娠29週から40週頃までの後期の発育です。
胎児の各臓器の発育増大とともに機能的な成熟が進行します。
また、出生後の生活に備え、栄養分を蓄積する働きが強くなります。
妊娠後期には胎児の体重が急速に増加しますが、体内の細胞や各臓器の肥大と脂肪などのエネルギー基質の蓄積によるものが大きくなります。
この時期に低栄養などの成長を障害するような原因があると、胎児はやせ型となる可能性があります。
このような経過を辿り胎児はお腹の中で発育していきます。
各時期の発育を知ることで、より変化を感じられると良いですね。
最後までお読みいただきありがとうございました✨
ウーマンズヘルスケア研究会
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