かくれ貧血かも?

厚生労働省の調査によると女性の約10人に1人は貧血といわれています。

 

日本でも食生活の変化などにより貧血の方は増加傾向にあります。

 

貧血は、赤血球の量・質が低下している状態であり、ヘモグロビンの値で診断されます。

 

ヘモグロビンの値は成人女性で12g/dl未満、高齢者で11g/dl未満といわれます。

しかし、ヘモグロビン値は個人差もあり自分の平均値を知り、その値と比べることも大切です。

 

貧血には、溶血性、再生不良性貧血などさまざまな種類がありますが、一番多いのは鉄欠乏性貧血です。

 

鉄欠乏性貧血は、その名の通り体内の鉄が不足して起こります。

 

◼︎鉄欠乏性貧血の原因としては、

 

①食事からの鉄摂取が少ない

鉄の摂取量は、調査では推奨されている量に満たないとの結果が出ています。

昔は1日の鉄の摂取量は13mgでしたが、現在では7mg程度といわれています。

 

月経のある女性は10.5mgが推奨されています。

ダイエット等で食事を抜いたり食生活の変化とともに鉄分の多い食事をとらなくなったことも原因となります。

 

②出血がある

月経による出血が主ですが、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮内膜ポリープなどの過多月経を起こすような婦人科疾患が隠れている可能性もあります。

 

また、胃腸にある潰瘍や痔による出血、女性に多い大腸ガンやその他のガンによる出血で鉄不足となります。

特に閉経後は月経による出血がないためガンなど慢性的な出血の可能性があるため注意が必要です。

 

③鉄の需要が増加している

妊娠中や授乳期に特に鉄不足となりやすいです。

妊娠後期では、母体は胎児への酸素供給を補うために血液量が1.5倍に増えることで濃度が薄くなります。

 

さらに胎児に優先的に運ばれるため母体は鉄不足になりやすいです。

 

④吸収の障害

外科のオペ後で胃や腸を切除している場合があげられます。

 

◼︎症状としては

めまいや動悸、息切れ、疲れやすくなるなど貧血で起こる症状に加え、

爪の変形、氷をかみたくなる異食症、就寝前に足がむずむずしてなかなか寝付けないレストレスレッグス症候群などを認めることがあります。

 

◼︎隠れ貧血とは、

1000万人以上にのぼるといわれており、成人以降で閉経前の女性であると40%以上ともいわれています。

隠れ貧血とは、貧血までは診断がつかないものの体内の貯蔵鉄が不足しており貧血予備軍としてリスクがある状態です。潜在性鉄欠乏ともいわれています。

 

採血でヘモグロビンの値は正常値であっても、貯蔵鉄が減っていることがあり気づきにくい状態です。

 

主な症状としては、なんとなくだるい感じがするという全身の倦怠感を認めます。

 

ヘモグロビンの値ではでなくても、フェリチンの値では貯蔵鉄をみることができるためフェリチンの値をとることでみつかることもあります。

 

閉経前や成長期では隠れ貧血となりやすいため意識して鉄分の摂取をして予防したいですね。

 

ちなみに…

 

◼︎妊娠中の方

妊娠中の貧血は、流産や早産、低体重での出産だけでなく、貧血症状による転倒リスクが高まることや出産後の回復に影響することがあります。

妊娠初期は8.5〜9.0mg、妊娠中期から後期は21.0〜21.5mgの鉄分の摂取を推奨されています。

 

◼︎スポーツ選手

スポーツ選手は、筋肉量が多いことや激しい運動で鉄の排出や需要が増加すること、赤血球が破壊されることにより貧血になりやすいといわれています。

貧血状態での運動は酸素不足となり様々な症状を引き起こしてしまう可能性があります。ヘモグロビンやフェリチンの数値の確認や管理が必要ですね。

鉄不足を予防するけとで、様々な症状が予防できパフォーマンス向上にもつながります。

 

◼︎対策、治療としては

・食事の見直し

・過度なダイエットを控える

・サプリメントや鉄剤の内服

・輸血

などがあります。

 

鉄分には、ヘム鉄と非ヘム鉄があります。

ヘム鉄は肉や魚に含まれており非ヘム鉄と比べる吸収率がいいとされています。

非ヘム鉄は海藻や野菜に含まれていますが吸収されにくいため、食事の際にはビタミンCやタンパク質を一緒にとり吸収率をあげるといいですね。

 

また、ビタミンBはヘモグロビンの合成を助ける働きがあります。

これらをバランスよく摂取することで鉄分の摂取量をあげて貧血を防ぐことができます。

 

◼︎最後に

貧血の典型的な症状がなくてもなんとなくだるい感じがしたら隠れ貧血の可能性があります。

 

症状が出る前に、栄養バランスのとれた食事をとり月経や妊娠中などは特に意識して鉄分を摂取することをおすすめします。

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました

 

 

 

  

ウーマンズヘルスケア研究会

 

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