妊娠悪阻に注意!

妊娠中のつわり。

悩む方多いと思います。

 

つわりの原因と言われているもの、いくつ知っていますでしょうか?

 

つわりは妊娠初期にみられる方が多く、ヒト絨毛性ゴナドトロピンの分泌増加の時期と同じ頃にみられることから、

ホルモンによる影響が原因であると考えられています。

 

他には…

・受精卵を異物と捉えアレルギー反応を起こしている

・流産を予防するため

・動き過ぎないために起こる

など、様々な要因があげられています。

 

また、妊娠中はプロゲステロンやエストロゲンなどの影響により、平滑筋の弛緩作用があります。

それにより、消化管の蠕動運動が低下し、胃内容の食道への逆流や排出遅延、弛緩性便秘などをきたしやすくなります。

 

これにより、悪心や嘔吐、胸焼けなどがみられることがあります。

 

悪心や嘔吐などのつわりの症状は、ほとんどの方が妊娠初期に経験します。

そして、5〜8割の妊婦は、15〜16週頃までには軽減すると言われています。

 

しかし、つわりの症状が悪化し、嘔吐を何度も繰り返す状態になる場合があります。

 

それを「妊婦悪阻」と言います。

 

妊娠悪阻は、体重減少や脱水、血液濃縮、尿中ケトン体陽性などの栄養障害や代謝障害の症状がみられます。

 

また、唾液の分泌が亢進しますが、こちらは副交感神経の異常亢進が病態に関係している可能性もあるといわれています。

 

このような場合は点滴静注や入院での治療を要する場合があります。

 

原因ははっきりとしませんが、恐怖心や不安など精神的ストレスが誘因となるともいわれています。

 

多胎妊娠や妊娠高血圧症候群の既往がある方、前回の妊娠で妊娠悪阻になった方は発症しやすいといわれています。

 

さらに、妊娠悪阻を発症した方は早産にもなりやすいと言われていますので、不正出血や破水などの症状に注意しましょう。

 

そして、妊娠悪阻を発症した方で注意が必要となるのが「ウェルニッケ脳症」です。

これは十分な食事ができなかったり、繰り返される嘔吐により、ビタミンB1の不足で起こります。

 

症状として、

・眼球運動障害

・失調性歩行

・意識障害

がみられ、死に至る場合もあります。

 

後遺症としては、コルサコフ症候群が発症し、健忘のような症状がみられます。

 

そのため、食事は少量に分けて数回とったり、無理をせずに体を休めるなどの対策をとりましょう。

 

ビタミンB1は牛乳や豚肉、豆類に多く含まれていますが、妊娠悪阻により食事による摂取が難しい方もいらっしゃいますね。

嘔吐を繰り返したり、食べ物だけでなく、飲み物も口にできない状態となれば、かかりつけの産婦人科を受診し、適切な治療を受ける必要があります。

 

「つわりだから、もうすぐ治まる」と我慢せずに重症になる前に早めの受診をおすすめします。

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました

 

 

 

  

ウーマンズヘルスケア研究会

 

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