「生理痛」 あることが当たり前ではありません!

生理痛は、大多数の若い女性が経験するといわれています。

働く女性の健康に関する実態調査によると、月経痛はかなりひどい(服薬しても会社を休む)は2.8%、

ひどい(服薬すれば仕事ができる)は25.8%で、28.6%と1/4以上の女性が強い月経痛を訴えています。

 

月経困難症とは、月経時、または始まった直後に腰痛や下腹部痛などがしょうじて、月経期間中に様々な支障をきたす状態をいいます。

 

月経前症候群(PMS:Premenstual Syndrome)は、月経開始とともに症状が減退し完全に消失するため、月経困難症とは区別されます。

 

月経困難症は

①機能性(原発性)月経困難症

②器質性(続発性)月経困難症

に分けられます。

 

①機能性(原発性)月経困難症

明らかな原因となる疾患がなく、症状を有する場合をいいます。

10代の若者に多く、症状は月経開始から2.3日に最も強く見られます。また、年齢と共に緩和傾向があります。

 

月経時にプロスタグランジンが分泌され、子宮を収縮させ、子宮内膜をはがし、経血を子宮から排出させるように働きます。

 

これは排血の為に必要な働きではありますが、プロスタグランジンの分泌量が多い、子宮筋の感受性が強いなどの場合に、

子宮筋が過剰収縮することにより、血管の攣縮や子宮筋の虚血が起こり、疼痛が発生します。

報告によると、月経困難症を来す女性は子宮内膜より産生されるプロスタグランジンが多いとされています。

 

若い女性で出産経験がない場合、子宮頚管が硬く、子宮口が狭いため、凝血通過が困難となる場合があります。

子宮が後屈位などの位置異常がある場合にも、排血が困難となるケースがあります。このように経血がスムーズに排泄されない場合、子宮を強く収縮させて排血させようとする為、生理痛を引き起こします。

 

また、若年者ではストレスなどの心理面が影響する場合も多くあります。

ストレスが視床下部機能障害を引き起こし、その結果、黄体化ホルモン、卵胞刺激ホルモンの低下をきたし、症状を誘発、増大させることもあります。

 

一般的には低容量ピル服用によるホルモン療法や、その他の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)により、

プロスタグランジン産生を抑制することによる疼痛の軽減や月経血の軽減などが図られます。

しかし、個人差があり、効果が得られない場合もあります。

 

 

②器質性(続発性)月経困難症

強い症状が月経期間中持続する、また急激に症状が起こる場合、なにかしら器質的な変化を有する場合があります。

具体的には、子宮内膜症、子宮筋腫、骨盤内炎症、骨盤内うっ血、性器奇形などが挙げられます。

20代以降に多く、加齢と共に強まる傾向がありますが、近年では子宮内膜症は思春期にも多く認められるとの報告があります。

 

この場合には、原因疾患の治療を行うとともに、鎮痛剤や低容量ピルの服用、漢方療法などの治療を選択していきます。

 

上記以外での症状改善方法とは?

 

①適度な運動をし、血流UP

 

虚血性の疼痛に対しては、骨盤底筋や腹横筋、腸腰筋などの骨盤内臓器に隣接した筋肉の収縮の促しにより、

子宮動脈の血流が改善され、症状緩和が得られることがあります。

しかし、逆効果とならないような運動負荷や収縮方法の実施が必要です。

 

② 栄養をとる

 

*ビタミンB6

神経伝達物質の補酵素として働くことで生理痛の症状が和らぐと言われています

 

マグロ、カツオ、さんま、大豆、バナナ

 

*ビタミンE

血管拡張し、血流を良くする働きがあります

 

ごま、ナッツ類、アボカド、うなぎ

 

*n-3系脂肪酸

血液がドロドロになるうっ血の状態を改善し、ホルモンバランスを整えます。

た、プロスタグランジンを減らし、生理痛緩和の効果があると言われています。

 

くるみ、ナッツ類、いわし、亜麻仁油、えごま油

 

*鉄分

牡蠣、レバー、ほうれん草、大豆

 

③質の良い睡眠をとる

 

十分に睡眠をとり、規則正しい生活を送ることで、自律神経やホルモンバランスが整いやすくなります。

 

日本では、現在800万人以上もの月経困難症の方がいると推定されていますが、そのうち医療機関を受診して治療を受けている方は、わずか10%程度にすぎないといわれています。

 

「みんなも生理痛があるから」

「あの人の方が辛そうだから、私は大丈夫」など、

痛みがあることは当たり前ではありません。

機能性月経困難症であっても、放っておけば器質性につながることもあります。

食事や生活習慣を見直すとともに、必要な場合にはすみやかに医療機関にてご自分の状態を確認することも必要ではないでしょうか。

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました

 

 

 

  

ウーマンズヘルスケア研究会

 

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