自律神経失調症とは?

自律神経失調症は医療従事者でなくとも耳にすることが多いと思います。

もしかしたら今その状態かも?と思うことがあるかもしれません。

 

自律神経失調症とは、自律神経のバランスが崩れてさまざまな不快な症状が出ることをいいます。

自律神経失調症はあくまでも疾患名ではなく『症状』のことをさします。

それを踏まえて、下記の流れでお話していきます。

 

◼︎自律神経とは

◼︎自律神経失調症とは

◼︎自律神経失調症の症状

◼︎原因またはなりやすい人とは

◼︎改善のためには

 

◼︎自律神経とは

自律神経は視床下部からのコントロールで胃、腸などの消化器系だけでなく、心臓や肺など生きていくことに必要不可欠な臓器を司っています。

私達が寝ている間、呼吸や心臓などが止まらず無意識に働いているのも自律神経のおかげです。

 

自律神経は交感神経と副交感神経の2つに分けられます。

交感神経は、激しい運動や興奮した時、緊張した時などに働いており、心身ともに活発にする働きがあります。

副交感神経は、リラックスしている時や睡眠時に働いており、活動時に備えて心身を休めたり回復させる働きがあります。

 

この2つの神経は、生命が続く限り、どちらも働き続け、状態に応じて強くなったり弱くなったりしながらバランスをとっています。

どちらにしても強くなり過ぎると様々な症状がでてきます。

 

◼︎自律神経失調症とは

自律神経失調症は、

自律神経のバランスが崩れて、様々な不快な症状を認めることをいいます。

 

日本心身医学会では

「種々の自律神経系の不定愁訴を有し、しかも臨床検査では器質的病変が認められず、かつ顕著な精神障害がないもの」

と定義しています。

 

うつ病などの精神疾患と似ているようですが、実際には不安や落ち込みなどの精神症状が顕著に出ておらず、かつ身体症状の原因となる病変がない場合に自律神経失調症と診断されるようです。

何かしらのストレスがかかると大脳辺縁系を通して視床下部に影響を与えます。

視床下部は自律神経やホルモン、免疫などに関与しているためあらゆる不調が出てきます。

 

◼︎自律神経失調症の症状

交感神経や副交感神経の働きで説明したように、自律神経は生きていくために必要な全身の器官を司っています。

ストレスやホルモンなどにより自律神経のバランスが崩れると様々な症状を認め、それは全身どこにでもでる可能性があります。

身体と心は密接に関係しているため症状としては、身体的な症状だけでなく、精神的な症状も認めます。

 

◯身体症状

疲労感、倦怠感、立ちくらみ、耳鳴り、偏頭痛、胸痛、動悸、ほてり、口や喉の不快感、手足のしびれ

便秘、下痢、不眠、頻尿、残尿感など

 

◯精神症状

不安感、焦り、落ち込み、憂鬱感、疎外感、やる気の低下、イライラ、感情の起伏が激しくなるなど

 

◼︎原因またはなりやすい人とは

自律神経のバランスが崩れる原因としては、元々の性格やストレスなどさまざまです。

 

・環境の変化

・ホルモンによるもの

・身体的ストレスによるもの

・精神的ストレスによるもの

・生活習慣の乱れ

・ストレスを感じやすいなど性格によるもの

・元々精神疾患のある人…

などがあげられます。

 

いくつか例をあげると、

環境としては、エアコンなどの外気温などの外的環境だけでなく、転職、離職、妊娠などの社会環境の変化でストレスを感じ、自律神経の乱れの原因となります。

 

ホルモンに関しては、女性ホルモンを分泌する視床下部は自律神経と密に関わっており、月経周期や年齢でのホルモンの変化は自律神経にも影響を与えます。

また、甲状腺ホルモンは代謝に関与し交感神経の働きを促します。甲状腺ホルモンの異常により様々な症状が出てきます。

 

ストレスに関してですが、身体的、精神的ストレスがありますが、身体的ストレスよりも精神的ストレスの方が自律神経への影響は大きいようです。

 

生活習慣では、基本的には日中は交感神経が優位に働き、夜は副交感神経が優位に働きますが、睡眠時間の不足や食生活の乱れ、喫煙などの生活習慣の乱れが自律神経の乱れとなります。

 

◼︎改善のためには

 

症状の改善のためには、

まずは何が原因であるか、症状から交感神経優位なのか副交感神経優位なのか、自分の生活や性格などを考えて自己理解を深めることです。

 

大きくわけると、

・生活習慣の改善

・心理療法

・薬による緩和

になります。

 

・生活習慣の改善

環境や身体的なストレスで考えると、室温などの調整や禁煙、規則正しい生活習慣を送ることで交感神経や副交感神経のバランスを整えます。

運動習慣は自律神経を整え、身体的にも精神的にもストレスの軽減に効果的とされています。

生活習慣を見直し、それでも症状が出る場合は器質的疾患が隠れている可能性もあります。

 

・心理療法

まずは要因を考え、自分自身を理解することです。その要因に向き合い、解決していくこと、考え方を変えることなどがあります。

例としてはカウンセリングや認知行動療法などです。

 

・薬による緩和

薬は身体症状の軽減や交感神経の働きを抑えて緊張を和らげるようなものがあります。

薬を使うことで十分な睡眠がとれることや身体症状によるストレスの軽減につながることがあります。

 

出来ることなら薬を使用せず改善したいですね。

 

生活習慣を見直すことだけでなく、浴槽につかりリラックスすることやよく笑うこと、アロマセラピー、運動をすることなどでもリラックスすることは出来ます。

 

長期化すると精神疾患にもなりかねない自律神経失調症。

仕事や子育てで自分のことは後回しになりやすいとは思いますが、慢性化する前になるべくはやく変化に気づくこと。

そして要因を考え、簡単なことから始めてみるといいですね。

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました

 

 

 

  

ウーマンズヘルスケア研究会

 

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