妊娠高血圧症候群とは?

妊娠すると、今までなかった不調や様々な症状が出てきます。

自分の身体だけではないため

妊娠中の病気には特に気をつけたいですよね。

 

妊娠中にかかりうる病気は、妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群など沢山あります。

 

今回は自覚症状として気づきにくく、妊娠中の病気として特に気をつけておきたい妊娠高血圧症候群についてお話ししたいと思います。

 

妊娠高血圧症候群は

全妊婦の約3〜7%に発症し、重症化すると母子ともに命に関わってくると言われています。

 

妊娠高血圧症候群とは、

『「妊娠20週以降〜分娩後12週まで高血圧がみられる場合」または

「高血圧に蛋白尿を伴う場合」のいずれかで

かつ、これらの症状が単なる妊娠の偶発合併症によるものでないもの』

と日本産科婦人科学会で定義されています。

 

元々高血圧や蛋白尿のある方は、高血圧合併妊娠や腎疾患合併妊娠といわれるようです。

 

ちなみに高血圧とは

収縮期血圧が140mmHg以上

拡張期血圧が90mmHg以上のことをいいます。

妊娠高血圧症候群では拡張期血圧が上がりやすいという特徴があります。

 

妊娠高血圧症候群は、以前は妊娠中毒症といわれていました。

 

妊娠中毒症とは、

『妊娠前はなかったのに、妊娠中期以降に

高血圧、蛋白尿、浮腫のいずれか1つまたは2つ以上認めること』をいいます。

しかし、研究や医学が進むなかで妊娠中毒症は血管の異常によるものだと考えられ、主な原因は高血圧ということが分かってきました。

そこで他の症状とは区別し、妊娠蛋白尿や妊娠浮腫のように、高血圧は2005年より妊娠高血圧症候群と呼ぶようになりました。

 

妊娠高血圧症候群は、

妊娠20週〜32週未満で発症したものを早発型

32週以降で発症したものを遅発型

と2つに分けられます。

早発型は重症化しやすいため特に注意が必要です。

 

妊娠高血圧症候群の所見としては、

高血圧や蛋白尿だけでなく、重症化すると子癇のけいれん発作や脳出血、腎機能の障害、肝機能の障害などの合併症を起こす可能性があります。

 

胎児への影響としては以下のリスクがあります。

 

・低出生体重児

出生時に体重が2500mg未満のこと

呼吸・循環器系などの合併症を認めやすくなります。

 

・胎児発育不全

子宮内の胎児の発育が遅れること

正常に発育した胎児と比べて神経障害を残しやすいといわれています。

 

・常位胎盤早期剥離

胎盤が産まれる前に剥離すること

胎児への酸素供給が低下し母体も出血によるショックを起こす可能性があります。

 

さらに重症化するとヘルプ症候群にもなりかねません。

 

ヘルプ症候群とは、

溶血、肝酵素上昇、血小板減少の三徴候を呈するもので妊娠高血圧症候群に合併しやすいと言われています。

 

ヘルプ症候群の合併症は、致死性のものも多く、産後の後遺症として残るものもあります。

 

これらの症状の悪化により帝王切開の可能性も出てきます。

 

原因ははっきりしていませんが、発症しやすいと言われている特徴は以下の通りです。

 

・塩分の取りすぎ

・肥満傾向

・ストレスを感じやすい

・糖尿病や高血圧の既往がある人

・初産

・多児妊婦

・急激な体重増加

 

症状としては、

自覚症状を認めにくく、重症化すると浮腫、頭痛や耳鳴り、視覚異常を認めることもあるようです。

気づいた時には重症化している場合もあり注意しにくいため、定期検診での確認が重要です。

 

治療は、

塩分コントロールや体重コントロール、降圧剤での治療となります。

 

予防としては、

定期検診での確認や食事、栄養管理になってきます。

体重も痩せすぎも太りすぎも良くないです。

 

栄養についてよく分からない!という方は、「妊婦に必要な栄養」についてのコラムも過去にあるのでご参照ください。

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました

 

 

 

  

ウーマンズヘルスケア研究会

 

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