妊娠初期から産後にかけて、様々なマイナートラブルが出現することがあります。
治療が必要なほどではなくとも、日々を生活して行く上では、辛いものになりますね。
その中の1つに恥骨痛があります。
恥骨結合は動きの少ない二次性軟骨性関節です。
恥骨結合の安定化には、周囲に付着する靭帯と筋群が関与しています。
前方には前恥骨靭帯があり、その部位には腹横筋、腹直筋、錐体筋、内腹斜筋、長内転筋からなる腱膜展開部が交差しています。
それにより、緻密かつ強靭な繊維性組織による前方の安定性を作り出しています。
しかし、妊娠初期より出産にむけたリラキシンホルモンバランスの影響により、これらを含む骨盤輪の靭帯は弛緩します。
臨月や出産時には、軟部組織による水分の吸収もある為、恥骨結合は容易に離開します。
歩行時などの荷重時において、支持側下肢において床反力の伝達により恥骨結合にせん断力が生じます。
正常の結合強度があれば動きに対しての制動が可能ですが、容易に離開する状態であれば十分な制動がきかない状態となってしまいます。
よって機能障害や疼痛を生じてしまうと考えられます。
原因は個人により様々で、身体機能面の状態に加えて生活環境などによっても異なります。
そのため、アプローチを行う際には個人個人に合わせた対応が必要となりますが、恥骨結合へのせん断力が疼痛出現の原因となりやすいため、せん断力が出現しないような動作を行うことはとても重要となります。
例としては、痛みがある際には階段昇降は可能な限りさける、歩く時の歩幅を大きくしない、
就寝時には骨盤を捻らないような姿勢をとる、足を組んだり、横座りなどは避ける、
またベッドなどから起き上がる際に片方の足を引っ掛けて起きたりしない、などが挙げられます。
また、片方の内転筋の過緊張が原因となる場合も多くみられます。
硬さが原因となって疼痛を出現させている場合にはリリースなどを行うことも有効となります。
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ウーマンズヘルスケア研究会
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