妊娠や分娩によってもたらされた母体の全身及び性器の変化が妊娠前の状態に戻る期間のことを産褥期といいます。
出産や個人差はありますが、一般的に6~8週と言われています。
産褥期には子宮復古や乳汁分泌など様々なからだの変化のために、ホルモンのバランスが大きく変化します。
分娩時には胎盤排出とともに、エストロゲン、プロゲステロンが一気に低下するため、
一時的に更年期の様な状態となり、疲れ易くなってしまいます。
このように循環器、血液、消化器、呼吸器、腎・泌尿器においても妊娠前の状態に戻り、
安定するまでには約1ヶ月程度かかると言われています。
また、胎児の成長につれて、腹筋群が伸びて、骨盤内の靭帯が伸びきり、
分娩により胎児がいなくなった腹腔内はとても不安定な状態となります。
リラキシンホルモンの影響で、骨盤をはじめとした関節も緩くなったままです。
このような状態で妊娠前のような生活をおくり過度に重力を受けてしまうと、組織の回復は妨げられてしまいます。
子宮をはじめとした臓器が元の位置に戻ることを妨げられ、
骨盤の不安定性の増大や骨盤底筋群へ過負荷などの状態を招いてしまいます。
そのため、産褥期に十分な休息をとることができないと、尿もれや子宮脱、腰痛などのトラブルを引き起こす可能性があります。
それはすぐにではなく、年齢を重ねた際に症状が出る場合もあるのです。
ライフスタイルの変化に伴い、核家族化や兄弟の世話、夫の多忙などにより、
昔のような援助を受けることが難しい場合も少なくありません。
しかし、産後は上記のような身体的な変化に加え、睡眠不足、果てしなく続く育児で精神的にも疲労困憊の状態です。
産後のお母さんが無理なく休息をとることができるよう、それぞれのライフスタイルに合わせた、
行政や民間のサービスを使うことも大事なのかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました✨
ウーマンズヘルスケア研究会