妊娠後期にもなると、足がパンパンに浮腫んで辛い…
このような経験をされている方も少なくはないのではないでしょうか?
浮腫は妊婦の約30%が経験すると言われています。
その多くは生理的なもので、母体や胎児に影響はないとされています。
妊娠は病気ではありませんが、非妊時と比較すると全身状態は著明に変化します。
妊娠中は母体に加え胎児にも血液の供給を行う必要がある為、循環血液量は最大で約40%も増加するといわれています。
また、血液成分の変化として、血漿量の増加率が赤血球や血漿蛋白増加率に加えて大きい為、生理的に水血症の状態となります。
妊娠32週頃には血液量もピークとなる為、妊娠後期には浮腫みが出現しやすいといわれています。
また子宮が大きくなり、リンパを圧迫することで下肢の循環が悪くなることもあります。
そのため、長時間の立位や同一姿勢の保持は浮腫みを強くしてしまうことがあります。
運動不足などにより、下肢の筋ポンプ作用の働きの低下によっても浮腫みが出て来てしまいます。
この妊娠後期の浮腫みの中で注意が必要なものがあります。それは妊娠高血圧症候群です。
妊娠高血圧症候群とは、妊娠20週以降産後12週までに高血圧になるか、高血圧に加えて蛋白尿がでる病気の総称です。
全妊婦の約3~7%に発症し、重症化すると母子ともに命の危険にさらされることもあります。
特徴的な症状として浮腫みがありますが、生理的なものとの違いはわかりにくいため、その他の症状を見る必要があります。
原因ははっきり分かっていない為、確実に予防する方法はありませんが、早期発見、早期対処が重要になるため、
定期の健診をしっかり受けることは大切です。
また肥満や高血圧はリスク要因と考えられているため、栄養バランスの良い食事をとることや適度な運動をすること、
十分な睡眠をとり、ストレスの少ない生活をすることは、とても重要になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました✨